システム屋から見る軽減税率。どんな対応をして、何が大変だったのかを解説します。

スポンサーリンク

SE
この記事は約5分で読めます。

お世話になります。山ネズミ(@yama_nzm)です。

この10月に消費増税と軽減税率が開始されました。
国民全員に影響するこの変更はいろいろと課題だらけです。イートイン脱税なんて言葉も生まれてしまいました。

消費者側としても「どれが対象で、どれが対象外なのか」いまいち分かっていないのが現状です。

一方で、販売管理システムやPOSレジシステムの開発・導入を行っている会社はそれは大変な対応を強いられました。

この記事では、今回の消費税改定に関してSE(システムエンジニア)側から「どんな対応」をして、「どういった点が大変だった」のかについて書いていきます。

スポンサーリンク

■そもそも軽減税率とは

ご存じの方がほとんどと思いますが、改めて書かせていただきます。

軽減税率は特定の品目において消費税を据え置くことです。ですので実際に行っているのは「軽減」ではなく「据え置き」になります。

特定の品目とは、以下のようなものを指します。

・酒類、外食を除く飲食料品
・週2回以上発行される新聞

軽減税率の対象として注目するべきは「食料品」です。当然食べなければ生きていけませんので関心が集まるとしたらこの品目でしょう。

日本では食料品について様々な提供形態があります。外食、持ち帰り、イートイン、ケータリング、出張料理、はては玩具付きのお菓子なんかもあります。詳しい分類についてはこちらのページが詳しいですのでご参照ください。

つまり、食料品は提供形態によって税率が異なる品目となっています。これの対応がとにかく難しいのです。

新聞は定期購読は軽減税率、コンビニで販売しているのは通常税率と覚えておけば問題ありません。

■システム屋の軽減税率対応

ここからが本題のシステム屋としては軽減税率に対してどのような対応をしていたのかについてです。大きく分けて以下のような対応をしています。

・商品マスタの税率設定
・請求書等の帳票レイアウトの改修

それぞれについて、詳しく見ていきましょう。

・商品マスタの税率設定

商品マスタとはそのお店が取り扱っている商品の個々の情報を指します。具体的にどういった情報が登録されているかと言いますと、以下のようなものです。

・商品名(名称、カナ名、略称)
・商品コード
・賞味期限
・原価
・仕入先
・商品区分(生もの、加工品 etc…)
・消費税率 etc…

他にも様々な情報が登録されますが、お店や導入しているシステムによって異なりますのですべてを列挙することはできません。

この中で、今回の話題として注目するのは「消費税率」です。

先程の項目の中で「提供形態によって税率が異なる」ことで対応が大変になるのはこの部分です。

御社で取り扱われている商品で、軽減税率の対象はなんですか?

ここからはじまるわけです。取扱商品の多い店舗となると何千、何万の商品を洗い出すことになります。そしてその商品に対して税率を設定していかなければなりません。

これまで軽減税率なんてものは実施したことがありませんので、それ用の「区分」をデータベース上に作る必要も出てきますし、目安となるデータも登録されていません。

例えば「商品区分」における「生もの」は対象で「加工品」は対象外と単純に分けられるのであればさほど難しくはありませんが、実際はそううまく登録されてはいません。

すでに廃番になった商品データが残っていたりするほどに商品マスタというのはしっかり管理されていません。

この商品マスタ設定について、お世話していくわけです。

・請求書等の帳票レイアウトの改修

こちらが最も大変な対応となります。特に請求書等は「軽減税率」と「標準税率」両方を表示させる必要があります。

区分記載請求書等と称されますが、これまで使用していた請求書等のレイアウトをすべて変更しなければなりません。

まずはどの帳票が対象なのかの洗い出しと、どのように改修していくかの要件定義から始まって改修、テスト、納品と進めていきます。

開発にしてもデータのとり方を変えたり、計算ロジックを改修したりと大規模なものとなります。

特にテスト工程は大事で、出るべき数字が出なかったりするとお店としては大問題となります。ですので入念なテストを実施した上で納めなければなりません。

それも2019年10月1日と期限がきっちりと決まっています。

また、請求書等のレイアウトは厳密にこの形で作ってくださいという決まりがありません。

然るべき項目が表示してあれば、ある程度は自由に作れてしまうのです。

ですので「この形でいきますから」と押し通すことができません。「字が小さい」ですとか「項目が多くて見づらい」ですとかの文句も出てきます。

これら帳票の改修やテストのために社内のシステムエンジニアだけでは対応しきれずエンジニアを外注したり、時間外労働や休日出勤を強いられます。

働き方改革とはなんだったのでしょうか・・・。

・軽減税率対応だけでは終わらない

今回は軽減税率だけ対応していればいい・・・そういうわけでもありません。

軽減税率対応に伴っていろいろな帳票を改めて精査しますので「ついで要望」というものが発生します。

「これまでは運用でなんとかしてきましたが、この機会に直してくれませんか?」と単純に言えば今回の改修に便乗してケチをつけてくるわけです。

その対応もまた長時間労働に繋がってしまいます。

■まとめ

当記事をまとめます。

・エンジニアの軽減税率対応は「商品ごとの税率設定」と「請求書等の帳票改修」
・「ついで要望」に対応するためさらに時間がかかる

消費者側としては値札を見て商品を購入するだけですので難しいことはありません。

お店側も店内飲食と持ち帰りの値段を統一したり、クーポンを配布したりして「損な気持ちにさせない」営業努力をしております。

目に見えないシステム側の対応もとても大変なものであったと知っていただければ幸いです。

以上です。

スポンサーリンク

スポンサーリンク

SE
山ネズミをフォローする
My Calm Life

スポンサーリンク

タイトルとURLをコピーしました